5月7日(木) 14:38
◇美術家で作家の赤瀬川原平さん、美術家の秋山祐徳太子さん、それに写真家の高梨豊さん。この三人でつくる写真愛好家集団「ライカ同盟」が、昨年の秋から「倉敷」を撮っていることはニュースで何度かお伝えしてきました。三人は倉敷商工会議所創立80周年の記念イベントで今年秋に開催する写真展「ライカ同盟 ライク・ア・クラシキ」へ向けて、精力的な活動を続けています。
◇このゴールデンウィーク期間中にも3度目の倉敷入りをし、2日から5日まで下津井や玉島などを取材して回りました。17年前に結成されたライカ同盟ですが、観光地としての倉敷には興味がないようです。そこで暮らす人、生活の形、街の空気こそが、ライカ同盟のシャッターチャンスなのです。
◇私は昨年秋の倉敷中心部の撮影の際、美観地区から本町、鶴形を通って倉敷駅方面まで同行させてもらいました。路上観察学でも知られる赤瀬川さんが、ライカ・カメラを手に「美観地区を出ると俄然面白くなってきた」と話していたのが印象的でした。主催者の狙いも、観光PR写真にあるわけではないでしょう。まして絵葉書的な美観地区の写真は、もう十二分に見てきているのですから。
◇ファンからは「この三人の手にかかれば心配無用」の声が聞こえてきそうです。私が今から40年前に見た秋山祐徳太子さんのポップ・ハプニング「グリコ」は、強烈でした。路上でランニングと短パン姿で右手を掲げ「グリコ!」と叫ぶだけです。一見ナンセンスだけど、突飛な行為の中に湧き上がる笑いとペーソスが忘れられません。秋山さんは東京都知事選にも2度出馬し、「泡沫候補」と揶揄(やゆ)する声を逆手にとって、政治のポップ・アート化に挑んだこともありました。
◇ライカ同盟は、8月に最後の倉敷取材・撮影をするそうです。このひと味も、ふた味も違う70歳代三人衆が、どんな「倉敷」を見せてくれるのか、今からワクワクしてきます。