1月13日(水) 00:00
◆鳩山首相が1月11日、東京駅近くの書店を訪れ、経済や歴史、思想などの本28冊、計約5万円をまとめ買いしたそうだ。半藤一利「昭和史〈戦後篇〉」、佐藤優「日本国家の神髄」、渡辺公三「闘うレヴィ=ストロース」、内田樹「日本辺境論」、ロバート・ライシュ「暴走する資本主義」、水村美苗「日本語が亡びるときー英語の世紀の中で」、ジャック・アタリ「21世紀の歴史ー未来の人類から見た世界」、立川談志「談志 最後の落語論」など多ジャンルにまたがる。
◆案内したのは編集工学研究所所長の松岡正剛さんである。松岡さんといえばネット上で書評サイト「千夜千冊」を現在も展開中で、読書の世界に限らず、大きな話題を呼び続けている編集者だ。記者からの首相への「通常国会が迫り、読書の余裕があるのか」との質問は、ピントが外れているようにも感じられた。松岡さんは「1冊を5分間読み、そのキーワードをつかむだけでも意味がある」とアドバイスしたそうだ。
◆「忙しさを理由に後回しにした本は、もう読まれることはないだろう」。そんな先人の言葉には、私自身妙に納得できるところがある。これまで何冊、積み重ねただけで終わっただろうか。要は「いま、本を手に取りたいのか、読みたいのか、どうか」に尽きるような気もしている。
◆今年は「国民読書年」である。読みたい本を自由に読む、それが読書の面白さであろう。気軽に本を選び、自由に読める環境づくりなどは、大いに進めてほしい。KCTワイドの中でも新シリーズ「私の一冊」をスタートさせた。各界で活躍する皆さんに登場していただき、人生を決めた一冊、最も心を動かされた一冊を語っていただこうという企画だ。
◆「その一冊」は、読んだその人個人の衝撃であっても、その一冊は誰もが読むことができる。一冊の本は、そうして古くから読み継がれ、未来へも読み継がれて行く。読書することの面白さ、目に見えないネットワークの広がりを、テレビからもお伝えすることが出来ればと、思っている。