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25   今年の漢字 ズバリ!「新」

12月16日(水) 00:00

◆2009年の世相を表す年末恒例の「今年の漢字」が発表された。京都・清水寺で森清範貫主が、特大の和紙に力強く揮毫した文字は『新』だった。墨の流れが新を形作っていくに連れ、心の中で「ズバリだったゾ」と、思わずニヤリである。

◆その2日前、KCTワイドの私の担当コーナー「今月のノート」で、一足早く今年の漢字の予想をした。予想というより私が非常勤講師を勤めている川崎医療福祉大学の49人の学生に、「皆さんはどの字を選ぶ?」と書いてもらっていたのだ。結果は「新」と「薬」が5票ずつでトップだった。「今年の漢字」では、薬は新に次ぐ票を集めたそうだから、まさに1、2位を的中させたというところだった。

◆とかく社会への関心が薄いといわれがちな現代の学生だが、世相を読み取るアンテナはなかなか鋭いようだ。一方で気になったのが、いずれも1票ずつだったが、病、乱、驚、落、闇、苦、酷、恐、寒、低など、学生を取り巻く空気は、かなりしんどいことを思わせる漢字が寄せられていた。

◆何とか未来へ向けた明るい出口は見えないものか。新には、オバマ新大統領、鳩山新政権、行政刷新、新裁判員制度、イチローの新記録など、「新しいことに期待した1年だった」とのイメージが描かれたのだろう。歓迎できない新型インフルエンザにも、早く新ワクチンをとの思いがある。新は新しい年への希望をつなぐ。

◆白川静「常用字解」によると、新は「辛と木、斤を組み合わせた形。辛はとってのついた大きな針で、位牌を作る木を選ぶとき、この針を投げて当たった木を斤(おの)で切ることを新という。神意によって選ばれた木を新しく切り出すことで、『あたらしい、はじめ』の意味になる」とある。さて、新しい年の「新」は、どの木が選ばれるのか。