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31   締めくくりの195㍍ 

2月25日(木) 00:00

◆マラソンが紀元前のマラトンの戦いに由来していることは良く知られているが、実際のマラトンとアテネ間は36キロほどだそうだ。マラソンが今の42・195キロになったのは、1924年のパリ五輪からのことである。その16年前のロンドン五輪で使われたウインザー城から競技場までの距離が、基準になったという。半端な数字になったのには、二つの説が伝えられている。

◆英国王室の一人が、窓からスタートが良く見えるようにしてほしいと頼んだことから、付け加えられたためだという。もう一つがゴールをロイヤルボックスの前にするため、競技場を3分の2周したところに設定し、端数が出たという。いずれにしても案外わがままな決められ方をしたようだ。

◆だが、この端数がドラマチックなレースを、さらに盛り上げることになる。マラソンの持つ物語性や勝負の面白さに微妙な味付けをしてきた。陸上の5千㍍や1万㍍、50キロ競歩には、どこか制限された窮屈さが付きまとう。それに比べてマラソンの端数は、解放感の中に繊細さと余韻を生んできた。特に近年のマラソンは二段階勝負とも言われ、35キロから40キロあたりまでは、先頭集団についていけるかのサバイバルレースが続く。そして最後の端数を含めた数キロで勝負を決める。

◆勝敗にこだわらない市民マラソンとなると、受け止め方はだいぶ違うようだ。マラソンランナーとしても知られた、フォーク歌手の高石ともやさんがかつて「最後に付けられた195mは、苦しかった42キロを思い出しながら楽しんで走るためにあるもの」と語っていた。

◆28日は「そうじゃ吉備路マラソン」である。岡山県南では唯一のフルマラソンも行われる。KCTではゴールにカメラを据えて、42・195キロを走り終えた選手たちを待つことにしている。過酷な42キロと、締めくくりの195㍍。その良い表情をとらえていきたい。