8月21日(金) 00:00
◇かつて「首都機能移転」あるいは「国会等の移転」が、大きな議論になったことがありました。1990年の国会決議以降、十数年近く議論は続いたでしょうか。移転候補地では、誘致をめぐっての駆け引きもありました。なぜか西日本にはその候補地はなく、岡山県では一般に関心は薄かったようです。
◇戦後何度か首都機能移転構想が浮上したことはありました。90年代の議論は、バブル期の東京の地価高騰や大地震発生時のダメージ分散、そして東京一極集中の是正などの観点から、かなり現実的な議論が進んでいたようです。首都機能移転担当大臣なるポストも存在していました。
◇当時、東京の永田町や霞ヶ関界隈を歩くと大変な矛盾を感じたものです。というのは、あれほど首都機能移転を言いながら、老朽化した首相官邸や中央省庁の庁舎が、次々と建て替えられていたのです。「どこまで本気で移転する気があるのか」「もしそれでも移転するのなら無駄な二重投資になってしまう」など何をやっているのかと、疑問が次々浮かんできました。
◇結局この問題、6年前に衆参の特別委員会で「移転は必要」としながらも、「最適の候補地が絞り込めない」などの中間報告を採択しました。これを最後に以後、国会で実質的な議論は行われなくなり、凍結状態にあるというのが実際のようです。
◇今回の総選挙で争点の一つとなっている「地方分権」は、首都機能移転とは別次元の問題でしょう。だが、「地方分権」が東京一極集中是正の有力な手立てになるのは間違いありません。8月30日の国民の審判を経て誕生する新政権には、かつての首都機能移転論議をのみ込むような「地方分権」論議を深め、実行へ移すことを期待したいものです。