8月7日(金) 00:00
◇「今日世間でがやがやいっているのも、その起こりを尋ねれば、ひっきょう財政困難ということに過ぎないのだ」。長老政治家の発言かと思われるかもしれませんが、実は幕末・維新・明治の政治家、勝海舟の言葉なのです。
◇海舟は続けます。「おれも幕末において自ら経験したことがあるから…ひどく胸にこたえる」(勁草書房「勝海舟全集14=『氷川清話』」)。海舟といえば咸臨丸で太平洋を横断しての渡米、坂本龍馬ら脱藩浪士の発掘、西郷隆盛と会談しての江戸城無血開城など、幕末・維新を語る上で欠かせません。幕臣でありながら幕府の崩壊を見通し、まさに来るべき時代を描いていました。
◇明治32年まで生きた海舟による「氷川清和」は、隠居の身となって自由に好きなことを語っています。明治20年代に新聞や雑誌は、競って海舟談話を載せたといいます。その先見性と悠然とした政治論は、今読んでも示唆に富んでいて面白いものです。
◇外交、内政、それに行政改革や地方自治まで発言しています。国政選挙に限らず、最近の選挙でほとんどの候補者が口にする「改革」についても語っています。「改革ということは、公平でなくてはいけない。そして大きいものから始めて、小さいものを後にするのがよいよ。言いかえれば、改革者が一番に自分を改革するのさ」
◇改革を進める上での政治家の秘訣を海舟は言い切っています。「ただ誠意正心をもって現在に応ずるだけのことさ」。8月18日の衆院選公示が近づいてきました。立候補を予定している皆さんにも、聞いてほしい海舟節が続きます。