6月19日(金) 00:00
◇吉田拓郎のフォークの名曲「旅の宿」(岡本おさみ作詞)の2番に、俳句のことが出てきます。「ああ風流だなんて ひとつ 俳句でもひねって」。この歌が出たのは1972年。70年前後の「社会に意義あり」と吹き荒れた若者たちの季節に、別れを告げるような響きがあったのを覚えています。
◇日本語がある程度読める外国人が、日本の新聞を見ると「日本は詩人の国ですか」と、驚くという話を聞いたことがあります。なるほど、新聞には毎日のように読者の投稿による俳句、短歌、川柳が載っています。
◇「短歌をする人は全国に百万人、俳句はその10倍の1千万人はいると言われてます」。数年前、歌集「無援の抒情」や評論集「百年の恋」などの歌人・道浦母都子さんに会った時、そう教えてくれました。すごい数字です。確かに世界最短の詩といわれる俳句は、幼いころから耳にしてきて、「きっかけさえあれば、自分も」という垣根の低さはあるようです。
◇倉敷商工会議所内の吉備の国クラスター協議会が、KCTなど地元メディアが共同で企画展開した「くらしき百景」を題材にした俳句を募集しています。採用された俳句を使って、来年秋には「くらしき巡りカルタ」をつくるそうです。
◇五・七・五の言葉の調べと、季語による季節感が、「百景」をさらに豊かなものにしてくれるのは間違いないでしょう。KCTでは現在、「百景」の短編集を流しています。映像をきっかけに現地を訪ね、「ひとつ 俳句でもひねって」というのはどうでしょうか。