倉敷市中央にある岡山大学資源植物科学研究所の馬建鋒教授らの研究グループは、コメへのヒ素の蓄積を抑えるイネの輸送体遺伝子の働きを世界で初めて発見しました。世界的にヒ素汚染が問題になっている中で、安全なコメ作りにつながる発見として、関係者は期待しています。
発見したのは、イネの輸送体遺伝子で作られる輸送体タンパク質が、コメへのヒ素の蓄積を抑える働きがあるということです。輸送体タンパク質は、イネの節の部分で多く見られることも分かっていて、これらの働きを品種改良に利用すれば安全なイネ品種の開発につながる可能性もあります。岡山大学植物研の馬建鋒教授らの研究グループが、今年4月頃に明らかにし、研究成果はアメリカ科学アカデミー発行の機関紙の電子版で、きょう公開されました。土壌や水がヒ素に汚染していることが原因で、世界にはおよそ4、000万人のヒ素中毒者がいると
言われていて、中にはコメを主食にしている国や地域もあります。今後は、輸送体遺伝子の発現レベルの高いイネ品種を探すなど、さらに研究を進めていくことにしています。