女流将棋のタイトル戦・大山名人杯倉敷藤花戦。23日に倉敷で行われた三番勝負の第2局は激しい戦いの末、挑戦者の里見香奈女流三冠が勝利し、3年ぶりに倉敷藤花のタイトルを手にしました。
里見香奈女流三冠が第一局を勝利し、対局の場を倉敷に移しての第二局。先に里見女流三冠が会場に入り、その1分後、甲斐智美倉敷藤花が席に着きました。対局成績は、里見女流三冠が18勝、甲斐倉敷藤花が7勝ですが、タイトル戦の番勝負の成績は2勝2敗のイーブンです。立会人の村田智穂女流二段はじめ、多くの関係者が見守る中、甲斐倉敷藤花の先手で対局がはじまりました。第一手は7六歩。対する里見女流三冠は3四歩と指し、序盤は甲斐倉敷藤花が三間飛車、里見女流三冠が居飛車の戦型で、里見女流三冠が先に仕掛けました。午後からは、ホールでの公開対局となり、多くの観客を前に一手一手慎重に指す局面が続きます。一方、芸文館アイシアターでは、恒例の大盤解説に急遽、日本将棋連盟会長の谷川浩司九段が登場し、将棋ファンを沸かせました。対局が終盤に差し掛かると、里見女流三冠が1六歩を指した局面から甲斐倉敷藤花が優勢になります。そして、両者持ち時間を使いきって一分将棋に入ると、甲斐倉敷藤花が5一角と指し、激しく攻め込みます。しかしそれが裏目に出て、形勢が逆転。甲斐倉敷藤花は132手で投了し、里見女流三冠が勝利。2連勝で三番勝負を制し、倉敷藤花のタイトルを取り戻しました。そして、女流名人、女流王位、女流王将とあわせて、四冠となりました。一方、2年間守り続けたタイトルを失った甲斐智美女流五段は、激しい戦いを終え、次のように語りました。