倉敷市連島町の真言宗の寺、宝嶋寺で33年ぶりの御開帳法会が営まれました。本尊の十一面観音菩薩開帳法会に先立ち、矢柄八幡神社から宝嶋寺仁王門までのおよそ300メートルで稚児行列が行われました。烏帽子や冠をつけた地元の子どもたち80人があいにくの雨の中ほら貝の音とともに静かに練り歩きました。33年ぶりの保存修理が完成した鮮やかな丹塗り(にぬり)の仁王門の前では、落慶(らっけい)法要(ほうよう)が執り行われました。稚児行列は、修復された仁王門をくぐって本堂へ向かい、御開帳法会に臨みました。本堂では、釈子哲定(しゃくしてつじょう)住職を導師に法要が営まれ、33年に一度、開帳される本尊の十一面観音菩薩を訪れた人が順に拝みました。宝嶋寺は、およそ1200年前の平安初期に開かれた寺で、毎年旧暦の3月4日に春の大祭として通称「花(はな)の四日(よっか)」の縁日が行われています。今年は、33年ぶりの御開帳法会の年に合わせ、室町時代の創建で倉敷市の重文でもある仁王門の塗装修理の完成も慶びあいました。
(取材日)2017年3月31日
(取材場所)宝嶋寺(倉敷市連島町矢柄)