同性愛や心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」など、性の多様性について理解を深める講演会が、倉敷市内の学校教員を対象に開かれました。
倉敷市教育委員会では前年度から引き続き、「性の多様性を認め合う児童生徒の育成」をテーマにした人権教育の課題研究に取り組んでいます。講演会はその一環で開かれ、この分野に詳しい埼玉大学の渡辺大輔准教授から、現状と課題について話を聞きました。渡辺准教授によると、性的少数者、いわゆるLGBTは、100人のうち7・6人いるとされ、「学校のクラスの中にも一人はそのような児童生徒がいると思うべき」と呼びかけました。そして、性同一性障害の人が心と体の性別に違和感を持ち始めた時期について、「小学校入学より前」と答えた人が半数を超えているという実態もデータを交えながら示しました。さらに渡辺准教授は、セクシャルマイノリティによって、小学校1年生でいじめられた経験があるのは2割前後というデータを示し、「性の多様性について小学校低学年から学習すべきだ」と訴えました。倉敷市教育委員会では、今年度の人権教育課題研究会において、「性の多様性」の指導モデルを作り、すべての学校での導入を目指しています。