倉敷市中島出身の漢学者三島中洲を顕彰する展示会が中洲ゆかりの寺実際寺(じっさいじ)で開かれました。
三島中洲は、幕末期から明治、大正時代に活躍した漢学者です。備中松山藩の財政を立て直した山田方谷の一番弟子で、「漢学塾二松学舎」現在の二松学舎大学の創立者としても知られ倉敷を代表する偉人でもあります。三島中洲の生誕地倉敷市の中島地区では、住民有志でつくる「郷土を学ぶ会」が中心となって中洲の研究や顕彰活動に取り組んでいます。中洲の歯を埋葬した生歯の碑銘が残る真言宗の寺実際寺の客殿で開かれた展示会も、顕彰活動のひとつです。明治の三大文宗の一人に数えられた三島中洲が書き記した漢詩や碑文の掛軸、額装、屏風などを公開しています。今年も、大正元年に書いた「無垢清浄光(むくせいじょうこう)」の額や83歳の中洲が桜、朝顔、牡丹、菊の花の情緒を詩文で表現した屏風など20点が展示されました。また、仏像の彫刻師大橋渉さんを講師に第2、第4日曜日の月2回のペースで学んでいる教室生10人の作品35点も合わせて展示されました。龍神、四天王、阿修羅といった美しい仏像彫刻が訪れた人の目を引いていました。なお、この展示会は、毎年11月2日、3日に行われる倉敷市西阿知町の熊野神社の秋まつりにあわせて開かれています。会場では、茶席が設けられたほか竹炭や竹細工、仏像彫刻などの手づくり品を販売するフリーマーケットも行われました。
倉敷市中島・実際寺三島中洲顕彰展示会
【取材日】2017年11月2日
【場所】実際寺
【住所】倉敷市中島