倉敷市立美術館で「変貌する風景」をテーマにした作品展が開かれています。
こちらは、晩年を倉敷市で過ごした洋画家 阿藤秀一郎の作品「瀬戸内風景」です。
手前は鷲羽山で、瀬戸内海に浮かぶ櫃石島には瀬戸大橋が架かっていないため、昭和中期に描かれたものです。
「変貌する風景」をテーマにした作品展では、このほど美術館に新たに収蔵した12作品を含めた49点を展示しています。
ずらりと並ぶ江戸後期から大正時代の山水画。
この中に、中国ではなく日本の風景が描かれている作品があります。
倉敷ゆかりの日本画家吉嗣拝山が描いたこの山水画は、小豆島の耶馬渓を題材にしたそうです。
変わってこの写真は、い草栽培がおこなわれていた亀島山周辺です。
千鳥町の商店街にはオート三輪が走っています。
その後始まる、大規模な埋め立て工事。
写真家・中村昭夫の「水島の生い立ち」と題した16枚の写真は、沿岸部を埋め立ててコンビナートができるまでの様子を捉えています。
そして、和紙と綿で作った75個の造形を並べた倉敷市の作家 小田宏子のインスタレーションも、目を引きます。
このほか、市立美術館に多く所蔵されている池田遥邨の作品も風景が多くあります。
晩年の代表作「海鳴り」は、遥邨が20代のころ訪れた房総半島の漁村・御宿の風景が変わったことを嘆き、心の風景として描いたものです。
作品展は3月9日(日)までで、中学生以下と65歳以上は無料で鑑賞できます。
また、学芸員によるギャラリートークは来週19日(日)午後2時から開かれます。