都市圏に住む人を対象に募集している「地域おこし協力隊」というのを聞いたことありますか?
過疎化が進む地域で、空き家対策や古民家再生の企画提案といった活動に協力してもらい、その地域への定住を図るという国の制度です。いわゆる青年海外協力隊の国内版のようなものとされています。倉敷市では、平成28年に初めて玉島と児島で導入されました。
そしてこの「地域おこし協力隊」、西日本豪雨の被災地・倉敷市真備町でも去年募集されたんです。
ふたりは倉敷市出身で中学の同級生でしたが、大学卒業後はそれぞれ県外で働いていました。しかし、平成30年7月豪雨で被災した真備町でなにか力になれないかと思っていたところ、この「地域おこし協力隊」を知って応募したそうで実際、今どのような活動をしているのか取材してきました。
亀鷹皓平さんと岩井空さん、28歳です。「地域おこし協力隊」が任される仕事は自治体ごとに違って、真備町では被災した事業所に対して情報を提供したり、県内外へ復興の状況を発信したりしています。
応募資格は、都市圏に住んでいる人や募集先へ定住する意欲のある人としていて、期間は3年です。活動の拠点は真備船穂商工会です。
月20日の活動ですが、自らの考えで積極的に動くこともできます。亀鷹さんは、事業所回りや地元住民とのコミュニケーションをとっていくうちに真備町の特産品を使った会社を立ち上げようと模索しています。
真備町を代表するスポットには、直接足を運んでPRにつなげられるアイデアを考えています。2人は、真備船穂商工会に代わって、被災した事業所のうち廃業、休業している事業所や縮小営業している事業所を一軒一軒訪ねる調査もしています。事業所の調査データは、営業再開へ向けた補助金制度の提案などに使われます。
西日本豪雨で被災した真備町の活性化には、まず住民が町に帰ってくること、そして事業所の再開が鍵となってきます。
【インタビュー】
・サトウオートサービス
佐藤 通洋 社長
・真備町地域おこし協力隊
岩井 空 さん
・真備町地域おこし協力隊
亀鷹 皓平 さん
2人は、特産品を使ったPRや事業所の調査のほかにも、真備町のそれぞれのコミュニティをまとめるようなフラットな体制ができないかとか、都市圏から若者を呼び込むためにはどうしたらよいか、などさまざまなことに力を入れています。
そのために2人が大切にしているのが、やはり「直接足を運ぶこと」だそうです。
都市圏で生活していた若い二人が生み出す新しいまちづくりの提案に、地元の人の意見は欠かせないと感じています。
顔を見て話すことで、農業、商業、観光といったあらゆる面での住民の本音を拾って、その想いをつなぐ、実現させるということをめざしているようでした。
取材をしていても、真備町=被災というイメージから明るいイメージに変えたいと、地元の人たちと一緒に親身になって考えている姿が印象的でした。
事業所関係やコミュニティの面で悩んでいる方や、こんなのあったらいいな…と思っている方は一度彼らに相談してみるのもいいかもしれません。
2人の「地域おこし協力隊」としての活動期間は2022年3月までの予定です。