かかりつけの病院や薬局に行かなくても自宅で薬が受け取れるー。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、先月からこのような対応が国から特別に許可されています。しかし、この制度への認知度がまだ低いこともあり、薬局では住民への周知に力を入れています。
総社市を拠点とするアイ薬局では、4月22日から薬を患者に配達するサービスをはじめました。これは、新型コロナウイルス感染拡大で医療機関が受診できない患者に対する国の特例措置です。本来、薬を処方してもらうには、医者から出された処方箋の原本が必要なため、医療機関や薬局に直接出向く必要がありました。今回の特例では、かかりつけの病院を電話で受診し、薬の処方箋をFAXで薬局に送ってもらえます。薬局は用意した薬について患者に電話で説明すれば、宅配便で届けることができます。
【インタビュー】アイ薬局 村木 理英 社長「調剤薬局は狭いので三密を避けるという意味。活用される方が(1ヵ月で)1人か2人ぐらいなのでまったく周知されていない」
そこでアイ薬局では、患者の家を訪問して、薬を配達するサービスについて説明しています。薬の宅配は、他の住民からも高い関心を集めています。ただ、基礎疾患の状態や医療機関が電話やインターネットでの受診に対応しているかどうかがポイントです。
「電話で受診、薬を配達」という今回の特例措置は、新型コロナの感染収束までとされています。外出先での「3密」が気になる方もいらっしゃいますから、特に基礎疾患がある高齢の方には安心できるサービスの一つとして、選択肢に入るのではないでしょうか。なおご利用希望の際は、かかりつけの医療機関と薬局が対応可能かお確かめください。