倉敷市出身の日本画家池田遙邨の傑作を集めた展覧会が倉敷市立美術館で開催されています。
展示場には日展の前身、帝展に23歳で初入選した作品から晩年の作品までおよそ30点が展示されています。
日展に出展された代表作や青塔社展に出展した実験色の強い作品など遙邨の思いがこもった作品が並びます。
遙邨は自然を好んで描き、自然の中の一瞬を切り取ったような絵が特徴です。
こちらの作品は風になびくススキの中に狐が顔をのぞかせる様子が描かれています。
外の様子を窺うように顔をのぞかせる狐は遙邨が自身の孫をイメージして登場させました。
また遙邨が主催した画塾「青塔社」の展覧会に出展した作品は若い人に負けないようにと色づかいや構図が自由に描かれています。
自然をテーマに描いた作品が並ぶ中、こちらの作品では縦143センチのキャンバスいっぱいに京都タワーが描かれています。
タワーの根元には夕暮れの中に浮かぶ月と東本願寺が集まっています。
ユニークな視点で描く発想の自由さが評価されています。
池田遙邨ベストセレクション展は倉敷市立美術館で来月23日(日)まで開催されています。