玉野市の渋川海岸で、障がい者や高齢者、赤ちゃんまで誰でも楽しめる「ユニバーサルビーチ」を整備する動きが始まりました。
第1弾の取り組みとして、車いすでも砂浜を行き来できるビーチマットと水陸両用の車いすが岡山に初めて上陸。
一般公開されました。
渋川海岸に、波打ち際まで続く50mの一本の道ができました。
このビーチマットの上では、車いすが砂に沈むことなく、スムーズに通ることができます。
幅は1・8mあり、車いすがすれ違ったり、向きを変えることも可能です。
ビーチマットの導入を提案したのは、倉敷市児島出身の障がい者サーフィン選手藤原智貴さん。
競技大会で世界各国のビーチを訪れている藤原さんの体験がきっかけです。
藤原さんは、岡山県内で最も人が集まる渋川からこの取り組みを発信しようと、去年、地元の有志メンバーで「渋川ユニバーサルビーチプロジェクト」を結成しました。
そして今年、公益財団法人橋本財団による福祉助成を受け、専用のビーチマットを中国地方で初めて導入。
27日に渋川海岸で関係者がテープカットをしてユニバーサルビーチの整備に向けて第一歩を踏み出しました。
そして、ビーチマットと合わせて購入した水陸両用の車いす「モビチェア」もお披露目されました。
ひじ掛けと車輪は水に浮く素材でできています。
砂浜でも走れるよう太いタイヤを備えていて、子どもでも軽い力で引っ張ることができます。
この日は、渋川海岸を訪れた車いすを使う人が、実際にビーチマットの感触を確かめました。
ビーチマットは、ベビーカーを押す保護者や子どもにも好評でした。
渋川ユニバーサルビーチプロジェクトによると、今は管理するのが難しいため、水陸両用の車いすを含めて渋川海岸に常設することはできませんが、今後はほかの海岸に貸し出したり、渋川海岸で行われるイベントで使うなどして、ユニバーサルビーチへの理解を広めたい考えです。