倉敷市林にある熊野神社で、6つある本殿の一つ、第4殿をおよそ50年ぶりに修理しています。
今回は傷んだ基礎を合わせて直す大きな工事で今週末には初めての見学会も行われます。
神社の関係者は、工事への理解と息の長い支援を呼び掛けています。
倉敷市林の熊野神社は、和歌山県にある熊野神社の流れを汲み、奈良時代の西暦701年に鎮座したと言われています。
横並びに6つある本殿は、熊野神社の象徴です。
室町時代の1492年、明応元年に建てられた第2殿は国の重要文化財に指定されています。
5年前に保存修理工事が行われ、かつての佇まいを取り戻しています。
そのほかの本殿は、江戸時代の1647年に岡山藩主の池田光政が再建したものとされています。
時折修理を行ってきましたが、最近目立つのはヒノキの皮で葺かれた屋根の傷みです。
そこで、特に傷みが激しい4殿の保存修理工事を行うことになり、今年2月工事に取り掛かりました。
こちらが葺き替えられる前の屋根です。
断面からは何枚も重ねられたヒノキの皮=檜皮が見えます。今から50年前の1985年に葺きかえてから、相当傷んでいます。
今回は屋根だけでなく、建物の基礎も修理を行います。
柱が浮いています。
ジャッキでおよそ1m持ち上げ、鉄骨などで固定しています。
同じ高さだった第5殿と横並びで見ると、屋根ごと浮き上がっているのがわかります。
大工事になった6月から始まる屋根の解体工事を前に、今週末の18日・19日に工事現場の見学会が行われます。
18日(土)は午後4時30分から、19日(日)は午前9時からです。
(1回あたり15人、18日は3回、19日は5回実施)
そして関係者は、見学会を通じて、熊野神社を残す意義について理解を深めてもらおうと考えています。
2026年3月の完成を目指す保存修理工事には、1億1200万円の費用がかかる見込みです。
このうち岡山県、倉敷市の補助金を除くと、2800万円を神社側が負担することになります。
そこで氏子などが中心となって、クラウドファンディングを実施することになりました。
目標金額は100万円で、6月29日まで支援を募っています。
クラウドファンディングは、「晴れ!フレ!岡山」のホームページから参加できます。