国の登録有形文化財に指定されている総社市の井山宝福寺の禅堂で保存修理工事の現場見学会が開かれています。
宝福寺の北西に位置する禅堂は、かつて僧侶を目指す人の修行の場となっていました。
屋根の老朽化などを理由に、県と総社市の補助事業として総額7000万円以上をかけ昨年度から保存修理工事が行われています。
工事現場の見学会には総社市内外から多くの人が訪れ、保存修理を担う業者から説明を受けました。
屋根は瓦などが外された状態になっていて、構造や痛みが激しい部分などを間近に見ることができます。
保存修理工事はおよそ50年前にも行われていますが、文化財に指定される前だったため記録がほとんど残っておらず、今回の工事に向けた解体作業では、同時に建物の調査も行っています。
作業を進める中で、禅堂の建物は江戸時代に建てられたと見られることや、軒先部分は明治時代の建築であることが分かっています。
また、天井裏で明治時代に工事を担った人の墨書が初めて見つかりました。
解体作業は、おおむね今年中に終える見込みです。
再び使える瓦や木材は引き続き使用し、2026年3月末までに保存修理工事が完了する予定です。
禅堂の保存修理工事現場の見学会は、あす(26日)も開かれます。
参加費は無料で、事前の申し込みは必要ありません。
また、見学会で文化財保存のための寄付を行った人は、禅堂の修復で使われる瓦に名前を記すことができます。
◇見学会
5月26日(日)午前10時~正午 午後1時~3時