江戸時代に起こった農民一揆の犠牲者を偲ぶ、総社市・新本地区の伝統行事「義民祭」が行われました。
新本義民騒動は、新本地区に伝わる農民一揆で、江戸時代中期に岡田藩によって支配された山の返還を求め、農民4人が直訴し要望と引き換えに犠牲となったものです。
新本地区ではその4人の霊を弔い、功績を称えまつる義民祭を毎年地域で行っています。
八幡神社の小野義典宮司による祭事が執り行われ、義民の子孫をはじめとした出席者が玉串を捧げました。
午後7時をすぎ、運動場では義民踊りが始まりました。
新本幼稚園児による踊りでスタートし、月見踊りや日の丸の扇子を持った踊りでやぐらを囲みました。
続いては、揃いの法被や華やかな浴衣に身を包んだ新本小学校の児童が踊りを披露しました。
新本小では、毎年義民祭に合わせて、全校児童による義民騒動の歴史を再現したオペレッタ「義民さま」を上演していますが、今年は夏の暑さ対策のため、秋の実施に変更しています。
この日の唯一の全校イベントとなった踊りでは、音頭や太鼓も自分たちで行い、1年生から6年生までが心をひとつにして、義民四人衆に感謝と慰霊の気持ちを込めました。
後半では地域住民も加わり、子どもから大人までが義民踊りに参加して魂を供養しました。
また、体育館では幼稚園から小学生までの美術作品や、地域住民による写真や絵画、手芸などの作品が展示されたほか、会場にはフランクフルトやフライドポテトなどの夏祭りらしい屋台が並び、多くの人が訪れる祭りとなりました。
新本小児童によるオペレッタ「義民さま」は11月29日(金)に上演されます。