去年10月に亡くなった、大原美術館の前の館長で、美術評論家の高階秀爾さんへ思いを伝える場が設けられ、親交のあった人たちが花やメッセージを捧げました。
大原美術館の中庭に高階秀爾さんを偲ぶ場が設けられ訪れた人は花を献花台に手向けました。
高階秀爾さんは東京大学教授、国立西洋美術館長を歴任し2002年から2023年まで大原美術館の館長を務めました。
西洋美術史研究の第一人者として評論を展開すると共に、大原美術館の館長に就任してからは、倉敷の地で、幅広い世代の人に絵画の魅力を伝える取り組みを進めてきました。
長年の美術評論家としての活動や芸術文化振興への貢献が評価され2012年には文化勲章を受章、2018年に倉敷市文化章を受章しています。
館長を退いた後は、去年4月に新設された大原芸術研究所の所長に就任していましたが、その年の10月17日に心不全のため92歳で亡くなりました。
大原芸術財団は、高階さんの誕生日である2月5日合わせ、「高階秀爾さんへ思いを伝える日」を開催し、高階さんの関係者をはじめ、大学の教え子や講座の受講生などが哀悼の意や感謝の気持ちを寄せました。
高階さんが館長時代に立ち上げた若手作家の支援事業「ARKO」の作家など、親交のあったアーティストも多く訪れ、思いを馳せました。
大原美術館の作品収集に尽力した画家の児島虎次郎の孫で陶芸家の児島塊太郎さんの姿も。
これまで多くの人に愛されてきた高階さん。
きょう寄せられたたくさんの思いを、大原芸術財団としてこれからも引き継いでいきます。
「高階秀爾さんへ思いを伝える日」は午後3時まで開催され、約500人が訪れました。