玉野市の常山城跡で、無念の死を遂げた女軍を供養するための墓碑などが、何者かによって倒されていたことが分かりました。
去年5月に続き2度目の被害です。
常山城は、1575年に毛利家と織田家の戦いに巻き込まれ、毛利勢の総攻撃を受けました。
落城を前に、城主・上野隆徳の妻・鶴姫が、侍女34人とともに敵陣に攻め込みましたが、最後は城に戻って自害したと伝えられ、1937年に常山観光協会が鶴姫などを供養する墓碑を建てていました。
先月31日午前10時ごろ常山に草刈りに訪れた男性がすべての墓碑が倒されているのを見つけました。
倒されていたのは、上野隆徳と鶴姫を慰霊する約2メートルの石の塔2基と、鶴姫の息子や侍女などを祭る38基です。
さらに、近くの観音像も倒され、保全林を知らせる看板も引き抜かれていました。
前日の昼ごろに男性が訪れた際は、墓碑などは倒れていなかったということです。
常山観光協会は被害届を出し、玉野警察署が捜査を進めています。
常山観光協会によると、去年5月にも侍女などの墓碑38基が倒され、会員などで修復をしたということです。
常山観光協会は、8月の女軍供養祭までに有識者やボランティアの協力を得て墓碑を修復したい考えです。