弥生時代中期とみられる青銅製の銅鐸が見つかった総社市の神明遺跡で現地説明会が開かれました。
総社市福井の神明遺跡では、国道180号バイパス工事のため今年の4月から発掘調査が行われています。調査では、およそ2200年前、弥生時代中期から奈良時代にかけての住居跡や土器棺、土坑などが数多く出土しています。今年の8月21日に見つかった銅鐸は、県内でも23例目発掘調査中の発見としては県内2例目の貴重なものです。銅鐸の大きさは、高さ30センチ、幅15センチ、奥行き10センチで上部の紐を通すつり手部分の「鈕孔」の形から「外縁付鈕式」か「扁平鈕式」と呼ばれる古い段階のものとみられています。また、銅鐸は、埋納坑という深さ30センチの穴の中にバケツを横に倒した状態で埋まっていました。埋められた時期は、銅鐸が作られてから200年ほど後と推測されています。神明遺跡の現地説明会には、約350人の考古学ファンが訪れ、銅鐸が見つかった埋納坑や住居跡など発掘調査中の現場を見て回りました。なお、現地説明会では、出土した銅鐸も公開され、弥生時代の社会の解明に期待が寄せられました。
【インタビュー】岡山県古代吉備文化財センター・調査第三課長・弘田和司さん