KCTコミちゃん（倉敷ケーブルテレビ）

総社市と高梁市との連携協定に基づいて初めて企画されたボンネットバスによる観光地巡りが４月２９日に行われました。どんなバスツアーだったのでしょうか？総社市から高梁市の史跡を巡るボンネットバスの旅を取材しました。

高梁市が所有する昭和４２年製のレトロな「ぼんねっとバス」を活用し、総社市と高梁市の名所旧跡を巡るツアーが４月２９日の昭和の日に行われました。「方谷と雪舟をつなぐタイムスリップ・ぼんねっとバスツアー」には宝塚市をはじめ県内外から応募のあった１５人が参加しました。午前１０時半に出発したぼんねっとバスは、今年３０周年を迎えた吉備路れんげまつりでにぎわう備中国分寺周辺を走り抜け、室町時代の画聖・雪舟ゆかりの寺宝福寺へと向かいました。臨済宗東福寺派の宝福寺は、雪舟が幼少期に修行した寺で涙でネズミを描いたとう逸話でも知られています。一行は、小鍛冶元慎住職の案内で普段は公開されていない禅堂や方丈などを見学しました。国の重要文化財で岡山県内で２番目に古い三重塔を背景に記念写真を撮りました。昼食は、宝福寺の塔頭、般若院で総社名物の玉豆腐や精進料理を味わいました。午後からは、再び、ぼんねっとバスに乗り国道１８０号を北へ高梁川の清流を眺めながら高梁市へと向かいました。高梁市内からは、観光協会の観光ガイドの案内で、臥牛山にそびえる山城備中松山城を目指しました。臥牛山八合目のふいご峠に到着すると高梁市の近藤隆則市長が一行を出迎えました。標高４３０メートル、山頂付近に建つ備中松山城の天守は、国の重要文化財で現存する天守をもつ山城としては、最も高い所にあります。一行は、山道を歩いて登り、高梁の城下町を眼下に天守の内部や特別に公開された二重櫓などを見学しました。備中松山城に続いては、武家屋敷が並ぶ石火矢町ふるさと村から臨済宗永源寺派の寺頼久寺を訪ねました。少年少女コーラスの歌声で出迎えられた頼久寺では、生田(いくた)裕道(ゆうどう)住職から国の名勝で小堀遠州が手がけた庭園の説明を受けたほか、美しい枯山水の庭園を鑑賞しながら裏千家淡交会備北支部藤野宗恵社中による抹茶を味わいました。さらに、幕末、備中松山藩の財政改革を担った山田方谷ゆかりの藩校有終館跡や県下最古の教会高梁基督教会堂などが残る紺屋川美観地区を散策しました。レトロなボンネットバスで観光地を巡るツアーは、総社市と高梁市が２０１５年２月に結んだ産業・観光分野の包括連携協定に基づいて初めて企画されたものです。県内外からの参加者は、自然豊かで歴史ロマン漂う総社と高梁の両市の魅力を満喫した様子でした。なお、ボンネットバスツアーは、年間４回行われる計画で次回は９月の予定です。