倉敷市船穂町の柳井原地区で 7日(日)、ふなめし祭りが開かれました。
倉敷市船穂町には、郷土料理として「ふなめし」が伝わっています。こうした故郷の味を後世に伝えていこうと平成8年から柳井原養魚組合や消防団OBなどが中心となってふなめしを調理し地域の人に振る舞っています。今年は、先月18日から柳井原貯水池で漁がはじまり、120キロのフナを捕獲、祭り前日にミンチに下ごしらえしました。
祭り当日、会場となった共同出荷場では、朝早くからふなめしの調理が行われました。女性たちが切り分けているのは、ふなめしに欠かせない金時ニンジンやレンコン、里芋など地域の特産です。一方、男性陣は、熱した鍋で前日に調理したフナのミンチをしっかりと炒めます。
沸かした水に、油で炒って臭みを飛ばしたフナのミンチ、そして、特産の根菜類を順に入れ、ひと煮立ちさせます。具材の旨味が染み出たスープは、醤油と酒、味りんなどを加えて味を調えます。その分量は、長年の感覚です。
ふなめし祭り会場に、人が集まり始めました。直径1メートルの大鍋に、およそ300食のふなめしのかけ汁が用意され、ホカホカのご飯の上にかけて
ふなめしの完成です。熱々のふなめしは、無料で振る舞われ、訪れた人たちは、早速、ふなめしをかき込み船穂の冬の味を堪能していました。
かつて、冬場の貴重なタンパク源だった「ふなめし」。日常の口にすることのない若い世代の間でも、祭りなどが機会となって郷土の味として伝わっています。