国指定重要文化財の旧野崎家住宅では、代々伝わる豪華な雛人形や雛道具などを展示した恒例の「お雛様展」が開かれています。
会場には、江戸時代から昭和にかけての雛人形などおよそ200点が並んでいます。メインとなる享保雛は、明治5年旧岡山藩主の池田家から野崎家の3代目当主武吉郎に贈られたものです。高さおよそ80センチの国内最大級の逸品で、下からのぞくと微笑んでいるよう見える気品あふれるお雛様です。また、こちらは明治23年に作られた古今雛です。鷹の刺繍が入った煌びやかで長い振袖が特徴で、別名・見栄っ張り雛とも呼ばれています。そのほかにも、京都の老舗人形店の人形師・大木平蔵が手掛けた明治天皇がモデルのお雛様や、現当主・康彦さんの妻で綿の製造を営む実家から嫁いだ幹子さんの嫁入り道具で布団や座布団などの雛道具が並ぶものなどがあります。野崎家に女の子が生まれた際に健康に育つことを祈って贈られたものが多く訪れた人は、華やかな人形に見入っていました。「野崎家のお雛様展」は、4月9日(日)まで倉敷市児島味野の旧野崎家住宅で開かれています。