大規模な水害の発生に備えるため倉敷中央病院が建設を進めてきた「止水壁」が完成しました。
止水壁とは、水害が発生した時に浸水をせき止める壁のことです。
倉敷中央病院の創設100周年記念事業としておととし10月から建設が始まり、今月完成しました。
止水壁は、病院の周り約800メートルを囲み、高さは1メートル60センチ、厚さは30センチです。
人や車が出入りする17ヵ所には、水害が発生した時に職員が組み立て式の壁を設置します。
倉敷中央病院は、市内の高梁川が氾濫した場合1階の床上約40センチまで浸水すると想定されています。
地下や1階には電気室や発電機などのインフラ設備、大型の検査、治療設備があり、重要な施設への浸水被害を防ぐことができます。
また、約1000人の入院患者を守るだけでなく、被災した周辺の医療機関からも患者を受け入れることができ、医療の継続に繋がります。
工事の総額は約16億5000万円で、そのうち3200万円あまりは去年実施したクラウドファンディングで寄付が集まりました。
きょう(12日)止水壁の完成に合わせて竣工式が行われ、大原記念倉敷中央医療機構の浜野 潤理事長をはじめ病院や工事の関係者約70人が出席しました。
安全を祈願して阿智神社の新井 俊亮宮司が祝詞を奏上し、出席者が玉串を捧げました。
また、記念植樹も行われ、工事に伴って伐採した桜の木の挿し木が植えられ、止水壁の完成を祝いました。
倉敷中央病院では、今後、年1回以上止水壁の出入り口を塞ぐ壁を組み立てる訓練を行う方針です。




