昭和33年に発表された流行歌「逢いに来ましたお父さん」をご存知でしょうか?戦死した父が祀られている靖国神社へ息子が訪ねて行く心情を歌ったものですが、この歌を唄う倉敷市在住の歌手 三宅広一さんと歌にまつわる秘話をご紹介しましょう。
昭和33年の流行歌「逢いに来ましたお父さん」美しいボーイソプラノで歌うのは、13歳でデビューし、天才少年歌手と騒がれた三宅広一さんです。香川県の仁尾町生まれの三宅さんは、昭和62年に舩村徹音楽事務所岡山支社を設立し現在も、倉敷市で作曲家・歌手として活動しています。三宅広一さんの二枚目のレコード「逢いに来ましたお父さん」は戦争で父を亡くした少年が父の祀られている靖国神社を訪ねる歌です。この歌を誰よりも大切にしている人がいます。東大阪市の粟飯原(あいはら)南恵(なみえ)さん71歳昭和19年、当時2歳だっ粟飯原さんは、父親の戦死の公報を受けました。終戦から68年が経った今年7月、粟飯原さんは、戦争で亡くなった父親に逢いたいとマリアナ諸島への慰霊の旅に出ました。その時の事が8月14日の産経新聞に掲載されました。記事によると、戦死した父が眠るサイパン島で粟飯原さんは「逢いに来ましたお父さん」を口ずさんだそうです。粟飯原さんからの手紙には、私はこの歌が大好きです。倉敷に行くような事があれば唄聞かせていただけますか?と書かれていました。三宅さんは、急きょ、大阪から、粟飯原さんを招き倉敷でミニライブを開くことにしました。