玉野市の三井E&S造船で、大型貨物船の進水式が行われました。
人や貨物などを運ぶ商船の進水式は、玉野艦船工場ではこれが最後。
1世紀の歴史を締めくくる勇壮な姿をご覧ください。
三井E&S造船は1917年、三井物産の造船部として創業し、1937年に株式会社玉造船所としていまの場所に移転しました。
商船に限ると、最初につくった木造貨物船「海正丸」から数えて、これまで888隻を造ってきました。
しかし、この春、常石造船と商船事業で資本提携を結ぶ方向で合意。
三井E&S造船での商船建造を終えることになりました。
最後となる888隻目は、パナマ船籍のばら積み貨物船です。全長199.99m、幅36mで、
貨物の重さは6万6000tです。
船の名前は「ジャル・カルパタル」と命名されました。
いよいよ、商船では最後となる進水式。
係員が手際よく安全装置を取り外していきます。
そして、船の関係者が支綱を斧で切断します。
重さ3万8500tのばら積み貨物船が、ゆっくりと瀬戸内海に滑り出します。
今回の進水式は、新型コロナウイルス感染防止のため一般公開されませんでした。
それでも、玉野工場最後の貨物船が水に触れる姿を見ようと、周辺の岸壁には多くの市民が駆け付けました。
三井E&S造船では、防衛省向けの船の建造や修繕を行う艦艇事業も行っています。
今年10月に三菱重工業へその業務を譲渡しますが、作業はこの玉野艦船工場で継続するということです。
艦艇の進水式について、一般公開の予定はまだ決まっていませんが、今後見られるチャンスがあるかもしれないそうです。