倉敷市児島を拠点に活動し、16年前に亡くなった画家・伊川巌さんの遺作と、教え子など仲間による作品が、児島市民交流センターに展示されています。
伊川巌さんは、かつて下津井中学校など児島地区の小中学校で1986年まで美術教師を務めました。
そのかたわら、赤崎にアトリエを構え、画家として創作を続けました。
83歳で亡くなった伊川さんの功績をたたえようと、2015年から毎年展覧会が開かれ、今年で11回目を迎えました。
伊川さんが描くテーマの一つだった平和への願いを、仲間の2人が作品を通じて伝えています。
小学4年生のころから絵を教えてもらっていた大畠出身の山本悟さんは、ウクライナをテーマに描きました。
いまだ戦争が終わらない街に、きれいな月が現れ、心穏やかに過ごせる日々を願った作品です。
旧児島高校に30年以上勤め、伊川さんと交流が深かった武田正一さん。
出身の群馬県で小学1年生の時に、利根川沿いの村から見えた東京大空襲を描きました。
水平線には街の炎が現れ、上空には戦闘機が飛び交う子ども心に映った戦争を表現しています。
伊川さんと日本美術会の会員同士で親交のあった版画家・飯島俊一さんの作品も披露しています。
伊川さんの所蔵品だそうです。展示会は21日(日)まで児島市民交流センターで開かれています。