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立石おじさん おかやまの昔話

【第91話】 鶴とエビ

昔な、岡山に大きな大きな鶴がおってな、気持ちよさそうに空をスーイ、スイ、スイ飛んでいくんじゃ。そうしたところが、ほかの鳥たちが、「あ~鶴さんは大きいな。鶴さんは姿がきれいなー、美しいなー」みんな、褒めてくれる。地上におる動物たちも、鶴を見て、「あ~、鶴さんは大きな鳥じゃな、こんなきれいな鳥はないな」みんな褒めてくれるもんじゃから、鶴は、「こりゃー、この世の中で、自分が一番大きくて、一番きれいな鳥じゃ」と思うてな「よし、ひとつ世の中に自分より大きな鳥がおるか、きれいな鳥がおるか、見てみたいもんじゃ。調べてみよう」ということになって、出かけることになったじゃな。空を飛んで、スーイスイ、スイスイ、飛んで瀬戸内海を渡って、四国の山を超えて、それからしばらく飛んでいくと、広い海が広がっとる。「ありゃー、こりゃー広い海じゃなー、この海の果てまでいったら、わしよりひょっとしたら大きいもんがおるかわからんな。ひとつ、わたしより大きいもんがおるかどうか。たぶん、わしにかなうもんはおらんだろうから、行ってみてやろう」と思って、鶴は、スーイスイスイ、飛んでいったんじゃ。一日飛んでも自分より大きい鳥に出くわさなんだ。二日飛んでも、三日飛んでも、自分より大きい鳥に出くわさん「やっぱし、わしが一番大きくて、きれいじゃわい」思うて、スーイスイと、四日目も飛んだ。五日目に飛んでおったところが、あんまり毎日毎日、飛んだもんじゃから、羽根がもう、痛とーて、もうこれ以上飛ぶんが大儀になった。「こりゃー、これ以上飛べんど。どっか休むところはないかな」と思うたけど、辺りは、海で休むところが、どっこもない。「やあ、困ったな。どっか休むところは、ないかな。どっか休むとこはないかなあ」と思って海の上をみとったら、一本、杭が海の中に立っとる。「あ~助かった、あの杭で休もう」と思って、鶴は、その杭の上にパッと止まって、休んだんじゃな。「やーれやれ、何日も何日も飛んだから、すっかりくたびれてしもーた。あ~これで羽根を休めることができる」鶴が喜んで、休んでおったら、「こりゃあ、そこに止まっとるのは、何ものなー」と声が聞こえるもんじゃから「へえ、わたしゃー、岡山の鶴でございます。日本で一番大きな鳥で、一番美しい鳥なんで、わしより大きな鳥が世の中におるかどうか、見てやろうと思って、この海の上を飛んで来たんです」「なにが、日本で一番大きな鳥だとー。ちゃんちゃらおかしいわ。わしのヒゲの上に止まれるよーなもんが、なんで大きけりゃー、おまえのようなもなー、はよー帰れ」そういわれたもんじゃから、鶴は、見たら大きなエビじゃ。エビのヒゲの上に止まっとんじゃ。そのエビの大きさをみて、鶴は、びっくりして飛んで帰っていったじゃな。エビは、あんなちっぽけな鶴でも、世界中で一番大きな鳥だと思って、どこかしこを見て歩く。わしは、海の中で一番大きなエビじゃから、「ひとつ海の中でわしより大きいもんがおるかどうか調べてみてやろう。海の果てまで行ってみてやろう」と思って、エビは、泳いでいったんじな。一日泳ぎ。二日泳ぎ、泳いでいったけど自分より大きなもんに出くわさなんだ。三日、四日、五日、六日と泳ぐうちに、だんだんくだびれてきた「あ~くたびれたな、どっか休むところはないかあ、どっか休むところはないかなあ」いっしょうけんめい泳ぎながら、探していったんだけど、休むところがない。★一日泳いでも休むところがない。「どっか休むところはないかな」七日目に泳いでおったところが、ちょうど休むのにえーかげんな穴が開いとった。「あ、えー休む場所があった。あそこでゆっくり休ましてもらおう」そう思うて、エビは、その穴の中に入っていって体を横たえて、寝ておったんじゃ。「あ~よう泳いだな。くたびれてしもうたな。これでだいぶくたびれが治るぞ」と思うて寝ておったら、「こりゃー、そこにおるものは何ものなら」いう声が聞こえたもんじゃから、「えー、わしは、この海で一番大きいエビです。この海の中にわしより大きいもんがおるかどうか調べに海の果てまで今泳いできたところですら」言ったところが「何、おまえが海で一番大きいエビじゃとようもようも言えたもんじゃ、おまえ今、どもにおるかわかっとるか」「ええ、洞窟の中に、ちゃっと休ましてもろうとんです」「何が洞窟なら、よう見てみーーこりゃあわしの鼻の穴じゃろ」言われたんじゃ。見たらそれは、クジラの鼻の穴じゃって。それを知ったエビは、びっくりして「あ~クジラさん、すまんけど、もうちょっと休ましてもらえませんかな」「早よう出て行け!。もう鼻の中に入っておったら鼻の中がこそばいー、ハックション!」と大きなくしゃみをしたんじゃ。そのくしゃみで、その大きなエビは、バーンと飛ばされていった。どんどんどんどん飛ばされて飛ばされて伯耆の大山にダーンと突き当たったんじゃな。その時に腰をしこたま打ってから、エビは腰が曲がってしもうたんじゃ。それから、エビの腰は、曲がるようになったんじゃって、伯耆の大山の南側は、岩がゴロゴロに壊れとろー。あれは、エビがダーンと突き当たった時に大山の山が崩れて岩がゴロゴロになったんじゃって。昔こっぷり、とびのくそ。

最終更新日: 2012年3月29日(木) 12:50 担当者: 中塚美佐子

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