倉敷の総鎮守・阿智神社の祭りに欠かせない素隠居の衣装が新調され、「じじ」と「ばば」の面をかぶった素隠居が美観地区一帯に繰り出しました。
来年、保存会の活動再開30周年を迎える倉敷素隠居保存会では、今回25年ぶりに衣装を新調しました。
お披露目となったこの日は、倉敷東小学校の子どもたち21人が素隠居体験に参加し、真新しい衣装に身を包みました。
素隠居は江戸時代に若者が「じじ」と「ばば」の面をかぶり、年老いた有力者に代わって、阿智神社の御神幸行列に参加したのがはじまりとされていて、300年以上も続く伝統行事です。
素隠居の渋団扇で頭を叩かれると健康になったり賢くなるといったご利益があるといわれています。
今年は新型コロナウイルス感染防止の観点から、接触を避けるために実際に叩かずに扇ぐだけの『エア叩き』となりました。
素隠居姿の子どもたちは、訪れた観光客らに「コロナになりませんように」や「幸せになりますように」などと声をかけ、渋団扇で扇いでいました。
倉敷素隠居保存会では今回の衣装の新調で大人用を20着子ども用を60着と子ども用の衣装を多く制作していて、よりたくさんの子どもたちに素隠居体験をしてもらいたい考えです。
会では今後「じじ」と「ばば」の面作り体験会などを企画し、素隠居の伝統を守り続けたいとしています。