倉敷では、来年の干支のトラをかたどった張り子づくりが進んでいます。
岡山県の伝統工芸品に指定されている倉敷はりこ。
152年の歴史を誇りますが、5代目の生水洋次さんは、干支の張り子づくりを40年以上手掛けています。
この時期になると、絵の具や墨を使って模様を描く作業に入ります。体長10cmほどのトラの張り子は、一つ一つ手作りです。
木型に洋紙と和紙を5枚重ねてトラの形をつくり、その上に膠と貝殻から作られる胡粉と呼ばれる顔料を混ぜて塗ります。
この作業は、気温が20度を下回らないとできないそうです。
トラの頭には重りがついていて、首を上下左右に振るのが特徴です。
ひげは麻でできていて、一本一本手作業で口のまわりに植えるそうです。
手づくりならではの味わい深さのある表情も魅力の一つです。
標準サイズと一回り大きいサイズの首振り張り子のほか、「怒り虎」というスタイルのものを含め、500個ほど出荷する予定です。
倉敷美観地区の日本郷土玩具館や倉敷アイビースクエア、天満屋倉敷店などで取り扱っています。
来年の干支の張り子づくりは、年の瀬まで続くということです。