倉敷市茶屋町に本社を置く染色加工メーカー「セイショク」が開発した廃棄処分となる生地を活用した新しい素材が、今年度のグッドデザイン賞に選ばれました。
創業140年を超える染色加工メーカーのセイショクが開発した新素材「NUNOUS」。
色ムラや染料汚れなどによって規格外品となった布を植物由来の樹脂フィルムと交互に重ねて圧縮し、薄くスライスして加工しやすくしたものです。
大理石や木目のような模様は、布とフィルムを重ねる時の微妙なうねりによって1つ1つ異なるものが生まれます。
建築資材やインテリア、小物などに幅広く活用されているこの素材が、日本デザイン振興会が主催する今年度のグッドデザイン賞に選ばれました。
規格外品となる布は、国内だけでも年間、45センチ幅で地球半周分になると言われています。
そこで、セイショクは捨てられる布を少しでも減らそうと製造過程で発生した規格外品を原料に、2013年から「NUNOUS」の研究開発を始めました。
去年3月には特許を取得し、現在は都市部を中心に様々な業種の企業や団体から規格外の生地などを買い取り、素材や製品として送り出しています。
今年度のグッドデザイン賞は、全国で1560件、岡山県で5件が受賞しています。