冠婚葬祭や宗教儀礼など様々な「祈り」の場面で使われてきた国内外の民芸品を集めた企画展が倉敷民藝館で開かれています。
「祈りの周辺」と題した今回の企画展。
倉敷民藝館が所蔵する、国内外の「祈り」と「暮らし」の密接な関わりを感じ取ることができる彫刻や衣装、版画といった民芸品およそ200点が展示されています。
日本中を旅し苦しむ人々を救済しようと一千体以上もの仏像を彫った、江戸後期の僧で彫刻家の木喰が手掛けた木像「十一面観音像」です。
長生きや病気が良くなるようにとの祈りが込められていて、困っている人をすぐに見つけるために全方向を見守る11の顔を持っています。
一方、こちらは19世紀の朝鮮半島で描かれた「文字絵」です。
「廉」という文字には「清く正しく」という意味があります。
文字絵は儒教の思想を子どもに教えるためのもので、文字とその中に描かれた様々な絵には倫理や道徳観が込められています。
このほか、アフリカ・マリ共和国の民族が悪霊から身を守るために作ったとされる衣装や、秋田県で古くから婚礼の時に使われていた「祝げら」と呼ばれる蓑など、古今東西から集まった様々な祈りが込められた民芸品を見ることができます。
企画展 祈りの周辺は4月28日まで倉敷民藝館で開かれています。