倉敷市の陶芸家・岡本篤さんの山陽新聞賞受賞を記念した個展が天満屋倉敷店で開かれています。
水指や皿など、透明感のある優しい色合いで気品に溢れる作品が岡本さんの特徴です。
文化貢献の功労が称えられ、今年1月に山陽新聞賞を受賞した記念に開かれた個展には、新作を中心におよそ70点が展示されています。
岡本さんは、倉敷市羽島に天神窯を開いた父・欣三さんから紀元前14世紀ごろの中国が起源とされている「青磁」の技術を受け継ぎ、これまで半世紀にわたって研究を重ねてきました。
こちらは、香を供えるための「香炉」です。
去年、喜寿を迎えた岡本さんは周りの人の死を経験するなかで、使う人の心の支えになるようにとやわらかい作品に仕上げました。
遊び心も忘れていません。
水のなかにもぐりこんだような美しい青と緑の色は、焼くときの酸素の量を変えることで出しています。
中でも一際目を引くのは、引き込まれそうになるほどの斑紋が浮かび上がる「天目」という技法の作品です。
そこに、岡本さんがロウで勢いよく書いた「風」の文字は、風に向かって歩いていく力強さと今にも動き出しそうな躍動感を表現しています。
さらに隣には、その風に吹かれる優雅な「タンポポ」の姿が。
想像力を膨らませて楽しむことができます。
山陽新聞賞受賞記念天神窯岡本篤展は今月13日(月)まで天満屋倉敷店4階の美術画廊で開かれています。