国の指定史跡・総社市のこうもり塚古墳では、去年から石室を覆う墳丘の発掘調査が行われてきました。
2度の調査を終え、構造などがより詳しく明らかになっています。
こうもり塚古墳は、6世紀後半に築かれた前方後円墳です。
これまでに横穴式石室の調査は実施されていましたが、墳丘では行われておらず、岡山県古代吉備文化財センターが昨年度から2年計画で発掘調査を進めてきました。
前回の調査では、前方後円墳の全長がおよそ97mであることや、古墳の構造が削った山の上に土を盛った2段構造であることが分かっています。
きょう(18日)は、2度目の調査結果を伝える現地説明会が開かれました。
今回明らかになったのは、古墳のより正確な構造です。
まず、前方部の北西側は2段構造ではなく、斜面になっていることが分かりました。
この理由として、北西側の山に掘削が難しい岩石の多い部分があることや、後に古代山陽道ができる南側からの見た目を重視して省略した可能性があると見られています。
また、前方部の高さのある部分が、古墳本来の盛り土であることが判明しました。
他の部分より高いことから後から土を重ねた可能性もありましたが、発掘の結果、数種類の土を交互に積み上げた構造の古墳を作った当時からある盛り土だと分かりました。
そのほか、前方部の端が直線であることなども明らかになり、参加者たちは興味深く説明を聞いていました。
岡山県古代吉備文化財センターは、今年度中に調査報告書を作成し、県内の図書館や大学の研究室などに配布するほか、ホームページでも情報を公開する予定です。