新型コロナウイルスの影響で中止となっていた有隣荘の特別公開が、3年ぶりにあす(7日)から行われます。
「有隣荘の特別公開」は例年春と秋の年2回行われていますが、新型コロナウイルスの影響でおととしから中止となっていました。
3年ぶりの開催となった今回は、「マティス――光と色と」と題し、20世紀美術の巨匠アンリ・マティスの絵画を一部入れ替えながら合計10点展示します。
窓から明かりが降り注ぐ洋間には、マティスが自然界の光に関心を持ち、独自の色彩で光を表現し始めた頃の作品を展示します。
こちらのマティスの娘の肖像画は、帽子のふちにわずかに青色が残っています。
この部分をもとに光学調査を行う中で、元の背景が黒ではなく青だったと判明してきており、黒を塗り重ねたことで娘の顔に光が当たるような効果をもたらしたと見られています。
そして、1階の和室には、デッサンが並びました。
マティスは、自身のデッサンについて薄暗い空間でこそ光を感じられると記していて、和室のにぶい光の中マティスに近い目線でその陰影を楽しむことができます。
一方、大きな窓があり明るい空間の2階の和室には、鮮やかな切り紙絵を展示。
原画をもとに丹念に印刷された挿絵本の代表作『ジャズ』から、マティスが最晩年にたどり着いた色と形の表現を堪能できます。
秋の有隣荘特別公開は、あす(7日)から23日まで行われます。
チケットは、有隣荘のみ入館できるものと大原美術館の入館がセットになった券の2種類が販売されます。