水戸藩主の徳川斉昭や政治家・岩倉具視など、幕末維新期の人物に関する文書が、国指定重要文化財の旧野﨑家住宅で見つかり、初めて公開されました。
開国を迫るアメリカへの敵対や、明治維新の方向性などを相談した手紙もあり、時代が大きく変わる一端を伺うことができます。
今回公表された資料は、江戸後期から明治初期にかけて活躍した人物に関係するものです。
岡山県立博物館の横山定副館長と、就実大学講師の中田利枝子さんの二人が9年かけて解読しました。
こちらは、水戸藩主・徳川斉昭とその筆頭家臣だった藤田東湖の間でやりとりされた手紙です。
全部で16点あり、子孫の関係者が野﨑家に譲ったものです。
こちらは、江戸末期に描かれた絵巻物「遺響画巻」です。
尊王攘夷を巡る穏健派と過激派の争いなどをショッキングに描いたもので、水戸藩の混乱ぶりを伝えています。
野﨑家では、三条実美や木戸孝允などから岩倉具視へ届いた手紙が10年前に見つかっていましたが、このほど文章の解読ができたため、あわせて公開されました。
こちらは、岩倉と明治維新を主導した大久保利通が出したものです。
旧野﨑家住宅には、10万点の書類や掛け軸などの資料があり、施設を運営する公益財団法人竜王会館が昭和39年から継続して研究や解読を行っています。
公開された資料の一部は、来年1月7日から岡山県立博物館で展示される予定です。