県内最大の横穴式石室をもつ総社市のこうもり塚古墳の調査が今年3月に終わり、調査で分かったことを公開する展示会が総社吉備路文化館で開かれています。
こうもり塚古墳は総社市にある墳長およそ96メートルの前方後円墳で、6世紀後半に造られた古墳としては、中四国で最大の規模を誇っています。
こうもり塚古墳の調査はこれまで2回行われていましたが、まだ調査されていなかった墳丘を2020年4月から2023年3月までの間に岡山県古代吉備文化財センターが初めて行いました。
総社吉備路文化館で行われている展示会には、調査で明らかになったこうもり塚古墳についてのパネル資料や、79点の出土品が展示されています。
今回の調査でもっとも大きな発見となったのが墳丘の形です。
調査の結果、こうもり塚古墳は奈良県にある五条野丸山古墳とほとんど同じ形だということが確認されました。
五条野丸山古墳は古墳時代後期の欽明天皇の墓とされている古墳で、このことから、こうもり塚古墳には欽明天皇と非常に密接な関係を築いた人が埋葬されていたと考えられます。
また、出土品の中にあった武器や馬具といった当時の位の高い人が持っていたものなども近畿地方の有力豪族や欽明天皇の繋がりで得たものなのではないかと推測されました。
こうもり塚古墳の調査結果を展示する展示会”ここまでわかった!こうもり塚古墳”は、9月3日(日)まで総社吉備路文化館で開かれています。