西日本豪雨災害をきっかけに、倉敷市真備町の民家で見つかった江戸時代の屏風を県内の専門家グループが修復し、このほど持ち主に返しました。
屏風絵の下に張られた古い文書も解析され、昔の真備町の様子が書かれた貴重な文献も見つかりました。
屏風の持ち主である倉敷市真備町岡田富岡理弘さんの自宅を、災害にあった歴史資料を修復しているグループ岡山史料ネットの松岡弘之事務局長が訪れ、預かった屏風関係の資料を返却しました。
屏風は、富岡さんの敷地にあった江戸時代に建てられた蔵の中にありました。
蔵は2018年の西日本豪雨災害で2mほど水に浸かったため解体することになり、蔵の中から物を出しているときに見つかったものです。
止めに入ったのは、近くに住んでいた森脇敏さん。
地元真備の歴史博士です。
貴重な資料を何とか残そうと、岡山史料ネットに修復を託しました。
カビが生えるなどしていた6曲1隻の屏風は、掛け軸に形を変えて保存されました。
この絵は岡田藩の武士佐野愛石が描いたとされ、草花や鳥、酔っ払いの男などが書かれています。富岡さんが残そうとした
ニワトリの絵もきれいになりました。
そして、預かった屏風絵の下には、460点ほどの古い和紙が張られていました。
当時の文書を再利用したもののようで、岡山史料ネットではこれを1点1点解析しました。
戻ってきた文書に何が書かれているのか、関係者は興味津々です。
豪雨災害をきっかけに紐解かれた真備町の歴史を示す資料。
今後の活用が期待されます。