倉敷市中央にある岡山大学資源植物科学研究所で、年に一度の一般公開があり、大人から子どもまで植物のおもしろさを体感しました。
今年で創立111周年の岡山大学資源植物科学研究所では、毎年5月に施設を一般公開して、研究成果の展示や体験プログラムを展開しています。
研究所では、主に劣悪な環境でも育つ作物を創り出すため実験や観察、調査を重ねています。
そのうち力を入れているテーマの一つイネの研究展示では、チッソや鉄、リンなどの栄養素が欠けることで生じる変化を紹介しました。
こちらで行われているのは、収穫したイネを米にする工程の一つ「籾すり」の体験です。
手作業で玄米ともみ殻に分けるため、時間と手間がかかります。
1. 5ヘクタールに及ぶ圃場見学ツアーも人気を集めました。
研究の柱であるオオムギは、さまざまな種類が栽培されています。
オオムギの培養体験では、種から組織を取り出す精密な作業に子どもたちが挑戦しました。
また、圃場で栽培された六条大麦の麦茶が来場者に振る舞われました。
このほかクイズラリーもあり、研究所の中に散りばめられた質問にすべて答えると、植物の種がプレゼントされました。
そして研究所では、創立111周年を記念した特別企画も開催しています。
1914年、大正3年に大原孫三郎により開設し、1952年に岡山大学へ移管されるまでの貴重な資料の公開です。
大原奨農会農業研究所 初代所長の近藤萬太郎が亡くなった1946年、昭和21年に当時の吉田茂総理大臣などから寄せられたお悔やみは、GHQの検閲が入ったことが記されています。
また、研究所が財政難の時に、シイタケの菌を売って乗り切ったことがわかる帳簿も初めて公開されています。
研究所の歴史がわかる特別展示「大原農研の記録」は、23日(金)までの平日午前9時から午後5時の間、一般の人でも観覧できます。