倉敷市児島の野﨑家旧宅が所蔵する史料を研究しているグループが、岡山に甚大な被害をもたらした明治期の水害に関する新たな史料を発見し、研究結果を一部公表しました。
約10万点の史料が所蔵される野﨑家旧宅では、大阪大学やノートルダム清心女子大学の研究グループによって2019年から史料のデータ化が進められています。
研究を進めていく中で明治25年と26年に岡山県に甚大な被害をもたらした水害に関して野﨑家当主、野﨑武吉郎が残した史料約300点が見つかりました。
こちらは死者・行方不明者400人以上を出した明治26年の水害について岡山県内各地の浸水被害の規模を記した地図です。
地図からは、西日本豪雨災害で被災した倉敷市真備町川辺地区などは明治時代の水害でも大きな被害を受けていたことが分かります。
また、当時貴族院議員だった武吉郎が浸水被害を受けた場所を巡視して各地の被害状況を記した日誌や政治家として県の復興のための補助金申請に向け活動していた記録なども見つかりました。
今回の発見で明治時代の水害のより詳しい実態が明らかになることが期待されます。
水害史料を含む野﨑家旧宅の史料研究は2023年度まで行われます。