国際的な物流が盛んな水島港の玉島ハーバーアイランド側で、小麦やとうもろこしなどの穀物を積んだ大型の船が乗り入れ可能な岸壁と航路の整備が完了し、記念式典が行われました。
穀物の貯蔵施設や生産工場が立地する水島港・玉島ハーバーアイランドの岸壁に整備された7号ふ頭で記念式典が行われました。
資源をより安く供給する目的で、国から国際バルク戦略港湾に指定されている水島港では、穀物を積んだ大型船に対応するため、2017年度から国と県が中心になって国際物流ターミナルの整備工事が進められています。
積む荷物が多いほど水深が深い航路や岸壁が必要になります。
水島地区へ向かう航路は水深が16mあり、多くの大型貨物船に対応していますが、玉島地区へ向かう航路は10mしかなかったため、これまでは一度に3万9000トンの貨物しか運べませんでした。
そこで、水島から玉島までの間およそ5kmの航路の水深を、これまでより2m深くして12mにしたほか、水深12mの船に対応する岸壁を整備しました。
それにより、一度に積める貨物の重さが最大で2万トン拡大し、効率よい輸送が期待されます。
(3万9000トン→5万9000トン)
埠頭の設置工事や穀物を貨物船から運ぶ機械などの整備を含めた総事業費は239億円ということです。
完成記念式典では出席した関係者170人を前に、伊原木隆太知事が「地域経済の発展に大きく寄与する」とあいさつ。
伊東香織倉敷市長も期待を込めました。
また、倉敷少年少女合唱団のメンバーが歌声で花を添えたほか、テープカットをして完成を祝いました。
水島港のとうもろこし・大豆の輸入量は2022年で229万トンに及び、茨城県の鹿島港に次いで全国2位の規模となっています。
国際物流ターミナルの整備工事は引き続き行われていて、2029年度までに児島塩生地区の岸壁を水深14mに対応する工事を進める計画です。
それにより、小麦などを含めた穀物の輸入量が近年のピークだった2018年より30万トン以上増える見込みで、水島港のさらなる機能強化が期待されます。