前方後円墳の原型となったともいわれる弥生時代最大級の墳丘墓楯築遺跡について、倉敷市が今後行う保存整備活用の方向性が定まりました。
倉敷市矢部の楯築神社の境内にある楯築遺跡は円丘部の径が約40m、高さは5mで、弥生時代末期ごろの墳丘墓として国の史跡に指定されています。
楯築遺跡を所管する倉敷市教育委員会では、給水塔の撤去を終えた後の遺跡の整備や活用の方向性をまとめるため、学識経験者などによる楯築遺跡保存整備委員会を設置。
去年11月から4回にわたって議論してきました。
今回取りまとめた保存活用計画には、遺跡の魅力を発信すること、観光への活用を行うことなどを盛り込みました。
そのために、遺跡の価値を案内するガイダンス施設の整備や、観光バスなどのアクセス方法の検討も行うとしています。
来年4月に給水塔の撤去工事が終わる見込みで、引き続き跡地付近の発掘調査を行う予定です。
活用計画ではそれに合わせて、墳丘の復元整備を行うことが望ましいと提言。
給水塔の設置前となる1970年ごろの地形を表現するなど、古墳の形を立体的にわかりやすく表現する方法を検討するとしています。
倉敷市教育委員会では、給水塔跡地で行う発掘調査の状況を見ながら具体的な遺跡周辺の整備計画を検討し、5年後の2029年度には工事に着手したい考えです。




