水島コンビナートをはじめ瀬戸内海の安全を35年間守ってきた、水島海上保安部の消防船「すいりゅう」が引退することになり、18日に最後の放水訓練が行われました。
消防船「すいりゅう」は、大型タンカーやコンビナートの火災に対応するため、昭和53年にデビューしました。船の重さは110t。高さ24mのやぐらに放水銃を備えていて、50m先まで水は届きます。2つの船を並べて甲板(こうはん)でつないだ「双胴船」という形式の船で、安定した放水が可能です。「すいりゅう」の活動で忘れられないのが、昭和60年に水島コンビナートで起こった第六明和丸爆発事故です。「すいりゅう」は、タンカーの爆発炎上を受けて直ちに出動。市の消防艇などと連携して、消火活動にあたりました。その他、瀬戸内海を中心に巡回し、35年間の航続距離は25万kmを超えましたが、老朽化を理由に引退することになりました。「すいりゅう」は、24日に海洋少年団とのさよなら訓練に臨み、3月12日付で引退。消防能力を備えた巡視艇「りゅうおう」に、活動の場を譲ります。また、やぐらを備えた消防船は、「すいりゅう」を含めて国内に4隻ありますが、3月までにすべて姿を消すということです。




