浅口市の寺が所蔵する「人魚のミイラ」について倉敷芸術科学大学で去年から科学的・民俗学的な研究が進められていました。
そしてきのう(7日)研究の最終報告が行われ「ミイラ」は造られたものだったと発表されました。
今回、研究が行われた「人魚のミイラ」は体長およそ30センチでサルのような上半身と下半身には鱗や尾びれがついています。
ミイラは浅口市にある天台宗のお寺、圓珠院に所蔵されているもので去年2月から倉敷芸術科学大学を中心としたプロジェクトチームによってX線CTなどを使った研究が進められていました。
そして、きのう(7日)行われた最終報告で、研究の結果「人魚のミイラ」は造られたものだったと発表されました。
ミイラには頭蓋骨や脊髄、肋骨などの骨格がなく内部には布や綿が詰められていました。
上半身は薄い紙を重ねた上にフグの皮と動物の毛を接着して作られたもの、下半身も同様の構造をニベ科の魚の皮で覆ったものであごの周りのみ漆喰のようなもので固められています。
また、剥離した鱗の分析からミイラは1800年代後半に造られた可能性が高くDNAも検出されませんでした。
また、科学的な分析と共に進められた民俗学的な研究から現在、国内では15体の「人魚のミイラ」が確認されていていることそして、海外にも日本で作られたとみられるミイラが存在することから江戸時代以降、多くの「人魚のミイラ」が作られ国内外に流通していたことが推測されました。
不老不死や疫病流行の予言など人魚には様々な伝説が残されていて岡山民俗学会の木下浩理事はこの「人魚のミイラ」の存在意義について次のように語りました。
倉敷芸術科学大学では今後、まだ調査できていない毛や爪などの解析を行いながらこの研究を論文としてまとめる方針です。
また「人魚のミイラ」は今後も浅口市の圓珠院で大切に保管していきます。