倉敷市にある安産祈願のお寺不洗観音寺で、茅葺き屋根を修繕している客殿の特別公開が始まりました。
江戸中期、約280年前に建てられた客殿は、2002年に建物を改修しましたが、茅葺き屋根の老朽化で雨漏りするなど問題が起きていました。
そこで、クラウドファンディングで屋根を修理する資金を募ったところ、目標(700万円)を超える940万円あまりが集まり、修理が叶いました。
それを記念して、建物を改修して以来3回目となる特別公開をきょう(1日)から始めました。
普段非公開の建物には僧侶が集まる4つの和室があり、仕切りには豪華絢爛な襖絵が。
金箔とプラチナ箔を張り込んだものや、四季の花々、干支、不洗観音寺から眺めるかつての瀬戸内海などが描かれています。
これら32枚の襖絵を手がけたのは、倉敷芸術科学大学の客員教授で、倉敷市出身の日本画家森山知己さんです。
寺の住職から依頼を受け、2007年に納めました。
客殿の廊下からのぞむ日本庭園は、江戸時代からの歴史があります。
こちらの木は珍しく、左側がサツキ、右側がサザンカと2種類の花が咲きます。
訪れた人は、普段入れない場所の貴重な品々を、興味深く見入っていました。
そして、去年10月から修理が行われている茅葺き屋根も間近に見学できます。
初日は雨のため作業は中止でしたが、雨の日しか見られない様子もあります。
手前がきれいにハサミを入れて仕上げた屋根、その奥はまだ作業が終わっていない屋根です。
ご覧のように、仕上げが終わった屋根は常に水がしたたっています。
水はけの良さが、屋根の強さにつながるそうです。
また、客殿の特別公開にあわせ、江戸時代から寺に安置されている大黒天像が御開帳されています。
見学は5日(日)まで、午前10時から午後2時の間で受け付けます。
入場無料です。